阪急十三西口にて。

愛したのはきっと。

色目に裏目

 

某ブログサイトでここ1年ぐらいは活動していた。

とくに、セックスを絡ませた記事になるとぐーんとアクセス数は伸びて、驚くことに40代50代からDMを頂くことが多かった

 

(30なったばかりの女にワンチャン期待して連絡してくる自信がすごいな、どうせリアルじゃ勝負できないデブにハゲだろ、補佐止まりめ。)

 

その中、まれに、純粋に文章に惚れ込まれて、熱いメールをもらうこともあった。

その時は承認欲求が満たされ、ついつい彼にも返事を返してしまった。

 

「毎日が楽しくなったお返しに、何か困ったことがあったら言ってください!」

「私は酒とクンニがあればいいです。ほかに何ができるの」

「たとえば、自分は数字が得意です!めんどくさい計算なんかあれば!」

 

とにかく変なやつで、それが私の好奇心をつついた。

 

 

「そこのとり天がとにかく美味しくて。」

お互い関西で、おすすめの立ち飲みを紹介しあう仲になっていた。

「半径1m以内に近づかないこと前提に呑みにいくんだったらいいですよ。」

その発言にきょとんとしたが、軽く流してたところ、後日またその話になった。

彼が私と呑みにいくことを望んでるというのが意外だった。

 

「この前言ったこと覚えています?半径1m以内に近づかないことを前提にだったら一緒に呑んでみたいです」

 

私は「そんな失礼なこというやつと呑むつもりはないよ」とだけ返した。

 

それから数日後、やつは勝手に失踪した。

私への思いを奥さんにも話してて、浮ついたことへの罪悪とかに耐えれなくなって、勝手に好きになられて、勝手にふられた気になって、勝手にどっかいった。

 

そして会ったこともない男のために奥さんからもDMが届いて責められて、いったい自分は何に対して謝ってるのかわからないまま「本当にすみませんでした。」と繰り返した。

 

 

その男から先日、「手も出せなかったくせにw私はあなたのこと嫌いになってないですよ!むしろあの一件以来、俺は嫁ラブだと気づいて大事にしようと思いなおしました!」とDMが届く。なんとも長々と、私という人間についての考察と、それからの夫婦の営みの変化について語られていた。

「また嫁も積様のファンになったようです!今度三人で呑みませんか!?」

 

素面の頭でメールを返す。

「うっせーよ人をネタにしてオナニーしてんじゃねーよ、お前の垢だらけの手で名前打たれてると思うだけでぞっとするわ」

 

返事はない。