3月27日
ふと相手から差し出された愛情は
望んだものじゃなかったりする
例の『餃子くん』から連絡がきた。
「仕事は何とか切り上げます、そうですね、2時間後。」
本当はお昼で早退してたくせに、脛毛と腕だけ処理して、久しぶりに口紅も塗って宝塚線に乗り込む。
花の金曜日、また餃子を食べる。今日は焼肉もないので一人2人前ずつ。
サッポロのラガーが旨い、お酒の趣味が合う男はいい。
そのあと、近くのドトールに誘って珈琲をご馳走する。
「最近ついてないんですよ、32から3になる歳、厄払いいかないと。それか、豊岡の方に滝修行」
「滝修行?」
「昔からやってみたいんです、なんか清められそうだし」
「じゃあ一緒に行きます?見とってあげたい」
ふと、この「見ていてあげたい」というフレーズにぐっときた。
不細工に顔を顰めて笑ったけど、余裕ぶって笑う餃子くんはちょっと垂らしだと思う。
いろいろ考えたくて鈍行で帰る。
鳴ってる携帯に気づいて、メッセージ読んで一生懸命読み返してる間に駅を通り過ぎる。
「確実にヤれるって打算がないかぎり 腰が重くて」
こんなタイミングでこんな言葉。